二度目の途切れ県道は災害後で

三週間前に途切れ県道に赴いた勢いで本ボシであるr282に行ってきた、もとよりここのために靴を買ったといっても過言ではない。この県道は2014年8月の豪雨災害により変わり果てた姿になってしまった。当時のニュースで知っており、またGoogleMapsの衛星写真からもその姿を知っていたが、訪れることもなく月日だけが過ぎた。

兵庫県道86号 多可柏原線「玉巻JRアンダー交差部」旧道
http://michi.road.jp/Road/Hyg_r86.html

せっかく柏原に向かうので、と立ち寄った。夏に訪れてみたんだけど、植生凄くてあきらめて冬にした。くわしくは こちら

兵庫県道291号 奥野々氷上線
http://michi.road.jp/Road/Hyg_r291.html
橋の補完と田路集落内のルート誤りのために再訪した。
「竹安川4号橋(県道橋)」

大新屋の集落にある竹安川に架かる橋、架け替えられたという情報を見たので再撮影に赴いた。最初に調査に訪れた際はこれは橋というより函渠だったのだろうか? 高欄はなくデリネーターがあるだけであった。

その後、“橋”に作り替えるためだったのだろうか、鉄板を渡したような橋になっていた。

2014年には立派なイージースラブ橋に架け替えられた。何がカッコイイって、たった数mの長さでS字カーブを描いているの、最新技術ゆえだよねぇ。


Mapionより
この田路集落内だけ手前の山裾の路地に入るのなんなの、さすがは県道クオリティ。

兵庫県道282号 沼市島線
http://michi.road.jp/Road/Hyg282_1.html
最初来たときはなかった獣除け柵を越えてしばらくは前来た時とあまり変わらない風景だったのだけど、しばらく進むと視界がパッと開けた。いや本当は「パッ」となど開けないようなところだったはずだ……しかし、谷の両側に木々がなく大きく削り取られたような開けた広い谷が広がっていた。麓の集落にもそしてそれまでの道にも変わったところがなかったところを見ると、この開けた辺りで上流から流れ出てきた土砂が止まったのだろう。

透過型砂防堰堤の「鴨内川堰堤」ができていた、この上流にあった(当時は覚えはないのだが)砂防ダムは土石流により破壊されてしまったのだそうな。しかし、古い航空写真を見ると確かに上流に砂防ダムがあって、しかし現在もあるそれと同じ場所なんですよね、同じところに造り直したのかな?

16年前の姿である、ここで鴨内谷川を渡っていた。

堰堤の高さまで登ってきた県道はしばらく進んだ後、砂防堰堤内の湛水域内から上がってくる道の途中に合流する。しかし、このコンクリのカーブ、見覚えがあるんですよね……

カーブから振り返って。[1]

そう、おそらくこの切通しカーブがあったところではなかろうかと、右の岩の形が同じだ。

コンクリ舗装された上に落石がゴロゴロ、これを見て「この先バイクで行かぬ方が良い」と判断したのだが。

かつての姿、めっちゃいい感じやったんやよ。

その判断は正しかった。整備された後も何度か豪雨があったからね、道は二か所で決壊していた。

その後の遡上を諦めさせられるような雄々しい姿……地図によるとここを渡って正面の谷を少し上るのだが。[2]

かつてはこんなかわいい木橋で渡るような小さい沢だったのにね。

GPSに頼りながら地図の点線ヶ所に取り付いてみたのだが、そこまでの倒木や掘れた谷に岩石にまず苦戦、そしてそのあと点線はあるが道はない、ただの斜面だ。[3]

尾根筋にやっと取りついたのだが、同じことを考えた人はいるようで、先達によって木々に赤テープが巻きつけられていた。[4]

事前に入れていた情報通り山道に出た。[5]
今までが嘘のように、歩きやすい山道が続いている。

左手、木々の向こうが妙に明るい。

なるほど、こりゃあ凄い。これだけの土砂が下流に流れ出ればそら地形も変わりますわ……[6]


しばらくして「鴨内峠」(かもちとうげ)に到着。なんとカントリーサインが掲げられていた、現在はどちらも「丹波市」となっているが、かつては「市島町」と「氷上町」の町境であった。[7]
丹波市周辺の途切れ県道分断区間にある峠にはカントリーサインが掲げられているところがあり、知っているところではr289の佐仲峠とr138の瓶割峠(ただし掲げられているのは東瓶割峠で、県道が越える西瓶割峠にはない)にある。

市島側に下る、こちらは峠からほどなくして九十九折で高度を落としていく。


途中にある大岩「大師いっぷくの大岩」。

市島側も荒れ狂ったようで、道の様相が一変していた。

斜面という斜面が崩れている

かつての姿。

前山川を渡る寸前まで土砂は押し寄せてきていたようだが、橋は無事だった。[8]

かつての姿、緑濃い。

峠を越えてきたら当然また帰らねばならぬ、周回とは違いピストンはやはり面白味が半減する。しかし、帰りは[5]の地点から真っ直ぐ山道を進んでみた。


[2]の地点を左奥に谷をあがったところに出ていた。[9]

ごっそり土が流された跡の岩盤に小さな滝ができていた。

かつてはそこに作業林道があったはずなのだが。

峠の左側を見ると山が崩壊し土石流が流れた跡がよくわかる。
国土地理院地図より

赤矢印が往路、緑矢印が復路。

以上、16年前に訪れた丹波市氷上町市島町の間にあるr282の変わり果てた姿を追うために、そして今度こそ踏破するために訪れた報告でした。


「鴨内川堰堤」の裏側湛水域内から、最近砂防ダムは不透過型砂防堰堤から透過型砂防堰堤見直されつつある。従来型だと土石は防げても流木が防げないため下流に甚大な被害をもたらしていたことから、普段は水が流下しいざ土石流などが発生するとビームのところで流木と土石がうまい具合に絡まって堰き止められる透過型を主力に考え直されているそうだ。

鴨内峠へのルートは以下を参考にしました。
播磨新ハイキング山の会 老若男女のハイキング・山紀行
鴨内峠から新緑の五台山(兵庫・丹波市 664.6m)に登る