市内途切れ県道再訪録

神戸市北区にですね「兵庫県道73号 山田三田線」という途切れ県道があるんですよ。調査したのも更新したのも随分と前(しかも中途半端で終わっている)なのでこれは現代風(?)にアレンジせねばと未調査部分(端部)に再調査に赴いたわけですが……結局これ一本に5時間(昼食諸々寄せて、だけど)も掛かってしまった。

■山田側

最初はこんな風にどこにでもある(?)住宅地県道なんですよ。

だんだん怪しくなってきました。

そして宅地裏。

大雨により路肩が削られたみたい、これでも神戸市内の県道。

両脇には落石がゴロゴロしている。

鰻ノ手池畔に出る、鰻の手?

この辺が山田側の端部となる。

しかし何故か鉄パイプで厳重に閉鎖されている

その先もロープで厳重に

ハイキングコースなのに?

それもそのはずで、反対側八多町との間の分断区間に黒甲越のハイキングコース「太陽と緑の道」があるんだけど、オフロードバイク・車の走行天国になってしまっておりかなり道が深くえぐられ荒廃してしまっているようだ。どこまでも迷惑千万な連中でしかない。
ほかのオフロード乗りひいては二輪車乗りに悪印象を与えるばかりでなく自然環境の破壊や野生動物にも影響を及ぼすのでまともな倫理観があるのであればぜひやめてもらいたい、有料のコースで思う存分走り回ってもらいたい。

■お昼ご飯


昼食、前から気になっていた谷上の駅前にあるラーメン屋さんへ。
「濃厚醤油麺 光治郎(ミツジロウ)」の貝出汁そばと石焼チャーハン。
いやもう貝出汁のうまみと濃厚しょうゆスープが最高でしたよ!

■謎の高欄の正体

何の変哲もない道路です。

おや、何か見えますね……

高…欄……だと!?

確かに橋だ、紛うことなき、橋だ。

 反対側の高欄はなく、その向こうも斜面と道路しかないのになぁ……

これまた随分と前から気になっていたところでした。何故か片方だけ高欄があり、その向かいは六甲・六甲北有料道路の唐戸ICのランプロード。川があるようには見えなかったので長年の謎でしたが、謎を思い出したので向かいから眺めてみたら確かに橋だったのだ。ただしすぐに管渠となっており有馬川に合流する手前だけが開渠となっておりその部分がまだ「橋」として残っている様子。

Google Mapより
衛星写真で見てみると、赤矢印が「向山橋」で、その上に見える緑矢印のところに谷川らしきものが見える、唐戸ICができる前はおそらく開渠の河川がここにはあったのでしょう。

男の子ってこういうの好きなんでしょう?

■金慶橋
県道37号線の反対側に行く前に寄り道。



「金慶橋」は、昭和三十六年六月に本邦初の全溶接アルミニウム橋梁として、芦有開発株式会社により兵庫県芦屋市と有馬温泉を結び芦屋-有馬温泉間有料道路に架橋された。道路橋として橋桁部に鉄鋼以外の金属材料が使用された我が国唯一の例であり、アルミニウム合金の溶接など当時の最新技術が使用されている。設計施工にあたっては、当時のアルミニウム関係企業と研究者が多数参画した。橋桁部は、アルミニウム合金の高耐食性が発揮され、健全な状態が維持されている。施工後五十六年が経過した平成二十九年には、構造用強度材としてアルミニウム合金が使用された貴重な遺産として公共社団法人土木学会により「選奨土木遺産」に認定された。

道路橋としてのアルミ橋は現在は他にも存在する。
この橋へのアクセスは、芦有ドライブウェイを使うのだが、高いお金を払わずとも瑞宝時公園近くの「ポイントバケーション有馬」前から「瑞宝時公園前」バス停へ抜ける道があり、そこから道路わきの山を歩いていけば到達できる。歩行者通行禁止の道路のため一応路肩は歩かない方がいい。

■八多側端部

ここより手前も道は続いているが、県道指定がここまでしかされていないのでここまでは車道として扱う、といってもここまでは実は徒歩で登ってきている。奥の方からバイクの音が響いてくる、山田側から入れないのであればこちらから入っているわけだ、度し難い。

国土地理院地図より




写真ではわかりにくいのだが、私の技術では到底越えられないような箇所が多数あり、またこぶし大の石がゴロゴロしているような県道だったため途中であきらめてバイクは置いて徒歩で調査した。100万人都市近郊の山にこんな未舗装の険道があるとはね。分断区間はまた冬にでも踏破したいと思う。

舗装路復活。

舗装区間でもこの細さ

これでも主要地方道同士の交差、県道73号線は上に見える細い道へ。

圧迫区間

こんな道でも結構車は通る。
ここで県道82号線に合流する。その後もう一度単独区間を経た後県道20号線に合流し終点まで重複して終わる。
距離的にも範囲的にも短く狭い範囲であったがなかなか濃い時間を過ごせた。因みに神戸市内にはこうした分断県道が6本ある。